日本列島は、南北に3000キロ以上の広がりを持っています。
したがって、生活習俗の様相は、けっして一様ではありません。
また、本州は、1000メートルを超える脊梁山脈で
太平洋側と日本海側に区別され、
そこでも生活習俗の様相が大きく違ってきます。
そこで、各地の平野部・山間部・盆地・海辺などの風土にあわせて、
飲食・祭礼・芸能など多様な文化の発達を見てきました。
それらが小さな地域社会ごとに、今日まで比較的よく伝えられてきたのは
歴史を通じて政治や宗教の関与が強くなかったからでしょう。
そのようななかで、日本酒については、時代ごとの変化が比較的顕著で、
より高品質の酒が求められるようになりました。
日本酒を次世代につなぐために、また日本酒を国際社会につなぐためにも、
私たちは、より旨い酒を求めるとともに
「文化」としての酒の歴史を語り継いでいきたい、と思います。